繭からつくる、私だけの特別なきもの
栃木県小山市を巡りながら、繭から自分だけの本場結城紬をつくる「おやま紬」プロジェクト。繭から誂えるという特別な体験は、これまでにないワクワクと感動をお届けします。作り手にとってもきものファンとのふれあいが仕事への誇りや新たな活力につながります。
おやま紬とは？全国唯一「繭から反物まで」一つの街で完結
栃木県小山市は全国でも唯一、「繭から反物まで」一つの街で完結する街です。この特性を活かし、小山市産の純国産繭をつかって自分オリジナルの本場結城紬を職人さんと一緒に作り上げるツアーができました。
本場結城紬とは
本場結城紬は、重要無形文化財およびユネスコ無形文化遺産に登録されている、日本を代表する高級手織り絹織物です。手紡ぎの糸を使用し、精緻な織りの技術によって作られる唯一無二の織物として、世界中から高い評価を受けています。
おやま紬の特別性
- 純国産の繭を使用: 小山市産の繭「おや繭」(小山市商標登録)を使用
- 完全トレーサビリティ: 養蚕から完成まで、すべての工程を小山市内で体験・見学可能
- 職人との直接交流: 作り手と着る人の顔が見える、温かいものづくり
- 唯一無二の一枚: あなただけのオリジナル本場結城紬が完成
おやま紬ができるまで｜7つの工程を職人とともに
1. 養蚕（ようさん）- 蚕の飼育体験
体験内容
- 蚕に桑の葉の餌やり
- 上蔟（じょうぞく）：成熟した蚕を回転まぶしに引っ越す作業のお手伝い
- 一頭ずつ傷つけないように、全部手作業で行います
期間: 1〜2ヶ月
まめ知識: 栃木県の養蚕農家は15軒で生産量は全国の約20%。小山市では4軒残っています。日本の絹生産はわずか0.15%で、2024年時点で全国に146戸しかない貴重な産業です。
2. 袋真綿（ふくろまわた）作り – 繭から糸の素材へ
体験内容
- 収穫した繭との対面
- 繭を指先で広げて袋状にする作業
- 職人さんと一緒にチャレンジ（社長の天野も挑戦！）
特徴: 上手に作れるようになるまで3年かかると言われるほど、非常に難しい作業です。ここでは養蚕についてもきちんと学べる施設「糸つむぎのさと」で体験できます。
約400個の繭から1反分の袋真綿ができます。
3. 色柄選び – あなただけのデザインを
体験内容
- お好みの色や柄のデザインを選択
- 裏地の色も自分の好みで合わせられます
- この段階で最終料金が決定します
4. 糸つむぎ – 伝統の手紡ぎ技術
体験内容
- 袋真綿から糸を紡ぐ工程の見学・体験
- ガイド付きで職人技を間近で学べます
5. 染色 – 色彩の魔法
体験内容
- 選んだ色に糸を染める工程
- 伝統的な染色技法の見学
6. 地機織（じばたおり）- 織りの芸術
体験内容
- 地機による手織り工程の見学
- 職人さんの織りの技術を間近で体験
7. 完成後 – 感動の瞬間
体験内容
- 地元で手湯のし（仕上げ）をして、自分のマイサイズでお仕立て
- 完成記念の写真撮影
- 市内のお食事処で食事会・お披露目会
特別な意味: きものは分業で作るため、職人さんたちは自分が作った結城紬を着ているのを見ることはほとんどありませんでした。この食事会は、職人さんたちにとっても特別な「お披露目」の場となります。
ツアー詳細・料金・お申込み方法
料金
1,320,000円（税込）〜
- 申込時に200,000円のお支払い
- 色柄選びの際に最終料金が決定いたします
- 完全オーダーメイドの本場結城紬が完成します
スケジュール
春スタート
- 申込期限: 毎年4月末まで
- プログラム開始: 6月中旬からスタート
秋スタート
- 申込期限: 毎年7月末まで
- プログラム開始: 9月中旬からスタート
所要期間: 完成まで1年以上かかる長い旅となります。
お申込み方法
お電話またはHPからお問い合わせください。
連絡先: TEL 0285-22-0062（おやま紬係まで）
おやま紬プロジェクト実現までの道のり
あまのや社長 天野喬司からのメッセージ
私が生まれたときから、結城紬の生産量は減り続けていました。きものに携わる家の生まれとして、地元の結城紬を盛り上げたいとずっと思っていました。日本各地の産地を巡ったからこそ、改めて結城紬の素晴らしさを実感。しかし、コロナ禍で生産はさらに激減…。
そんな中、令和5年4月から、ついに「おやま紬」が実現！ 小山の袋真綿の流通が許可されたことが大きなきっかけでした。
おやま紬は、きもののファンだけでなく、きものを着たことがあまりない人をも魅了する力を持っています。このプロジェクトには、着る人にも作り手にも今までにない感動を与えてくれる織物です。
プロジェクトの想い
- おやま紬を通じて、小山だけでなく全国の職人さんを勇気づけたい
- その姿を見て、着る人、作りたい人を増やしたい
- 失われていくものにしたくない
- お互いの顔が見えるからこそ、関わるすべての人が真剣になれる
- それが良いきものづくりに繋がると信じています
小山の豊かな自然や温かい人々の想いが詰まった「おやま紬プロジェクト」。まだ体験できる人数は少ないけれど、一人でも多くの人にこの感動を届けたいと思っています。
天野 喬司プロフィール
- 栃木県小山市出身
- あまのや呉服店 7代目社長
- 約20年間、全国50以上の産地・工房を訪問
- 3児の父
メディア掲載情報
テレビ小山放送で特集されました
「おやま紬プロジェクト」がテレビ小山放送で特集されました。
取材スタッフからのメッセージ
取材していく中で最も強く感じたのは、職人さんたちの熱意と情熱です。着る人を喜ばせたい、驚かせたい、もっと難しい柄に挑戦したい、より良いものを作りたいという強い想いを持っています。
しかし、産業の縮小、後継者不足、国産糸の減少、着物文化の希薄化など、作りたくても作れない、作っても価値を認識してもらえないという現実があります。
「おやま紬プロジェクト」は、こうした状況の中で、地域の価値を高め、市内外、県外、国外に本場結城紬の素晴らしさを広く知ってもらうために立ち上げられました。
取材では、養蚕農家の見学、袋真綿作り、糸つむぎ、染色、織りまで、すべての手作業の工程を見学する機会をいただきました。動力を使わず、お蚕様という虫から美しいきものを作り上げる、その職人技の見事さには、あらゆる面で圧倒されました。後世に伝えていくべき文化だと強く感じました。
参加者の声
取材していく中で、「おじいちゃんが絣くくりしていたのを思い出した！」という方や、「結城紬を実家で見つけたから、今度仕立ててみたい！」という声が聞かれました。きものファンが増えていることを実感しています。
あまのや呉服店について
天保年間創業、190余年の歴史
お客様への感謝を心に創業して190余年。地域とともに歩む、きもの専門店として多くの皆様にご愛顧いただき、栃木県はもとより、北関東を代表する大型きもの専門店に成長することができました。
人生の節目に家族の絆をつなぐ大切な晴れ着、おしゃれ着としての着物、これからも心を込めてお手伝いさせていただきます。
オリジナル作品
- 左：小山の繭×京友禅: 地元の繭と京都の伝統染色技法のコラボレーション
- 中央：結城紬×ロウケツ染: 本場結城紬にロウケツ染を施した逸品
- 右：思川桜×本加賀友禅: 小山の名所・思川の桜をテーマにした本加賀友禅
店舗情報
あまのや 本店
- 住所: 〒323-0023 栃木県小山市中央町3-1-29
- TEL: 0285-22-0062
- 営業時間: 10:00〜18:30
- 定休日: 水曜日
STUDIO WILL（写真館）
- 住所: 〒323-0023 栃木県小山市中央町2-11-11
- TEL: 0285-20-5870
- 営業時間: 9:00〜17:00
- 定休日: 不定休
よくあるご質問
Q. 着物の知識がなくても参加できますか？
A. はい、もちろんです。むしろ、着物を着たことがあまりない方にこそ、この感動を体験していただきたいと考えています。すべての工程でガイドや職人さんが丁寧に説明いたします。
Q. どのくらいの期間がかかりますか？
A. 完成まで1年以上かかる長い旅となります。養蚕から始まり、すべての工程を丁寧に行うため、じっくりと時間をかけてお作りします。
Q. 遠方からでも参加できますか？
A. はい、全国からご参加いただけます。各工程は事前にスケジュールを調整させていただきます。
Q. キャンセルは可能ですか？
A. お申込み時の条件については、個別にご相談させていただきます。詳しくはお問い合わせください。
まとめ｜唯一無二の体験、おやま紬ツアーで感動を
おやま紬プロジェクトは、単なる着物作り体験ではありません。養蚕から完成まで、職人さんたちと顔を合わせ、共に作り上げる、世界に一つだけの本場結城紬が完成します。
失われつつある伝統文化を次世代に継承し、職人さんたちを勇気づけ、きものファンを増やす。そんな想いが詰まった特別なプロジェクトです。
1年以上かかる長い旅ですが、完成したときの感動は何物にも代えがたいものがあります。小山の豊かな自然、温かい人々、そして職人の技術と情熱が詰まった、あなただけの一枚を作りませんか？
おやま紬のすばらしさを、ぜひ体感してください。
お問い合わせ・お申込み
お電話またはホームページからお気軽にお問い合わせください。
おやま紬係
- TEL: 0285-22-0062
- 受付時間: 10:00〜18:30（水曜定休）
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
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