着物や帯は、着たあとのお手入れや保管をきちんと行うことで、次に着るときに気持ちよく着ることができます。また、いつまでも美しく長持ちさせる秘訣にもなります。着物のお手入れ方法を知り、着物との長いお付き合いを楽しんでください。

Q.着物を着た後、どのように収納すればいい?

着物着用後は、着物に体温と湿気が残ります。和装ハンガーなどに着物をかけていただき、丸1日日陰干しをした後、畳んで収納してください。その際に、汚れやシミの有無も調べておくことがオススメです。

Q.陰干しの方法は?

日の当たらない室内の、風通しの良いところに着物を吊るします。着物の型崩れを予防するために、着物の袖を伸ばしたまま干せる和装ハンガーなど専用小物のご使用がおススメです。

Q.着物をずっと干しておいてはいけないの?

着物を着たあと、湿気やほこりなどをとったあとは、畳んでしまうことがオススメです。掛けたままにしておくと形が崩れるもとになります。また、太陽の光や蛍光灯のもとに長く置くと、紫外線などによって変色することもあるので、注意が必要です。

Q.シワができてしまいました。どうしたらいいですか?

シワの部分に当て布をして、低温のアイロンをかけます。絹の特性上、「スチーム」は厳禁ですので、ご注意ください。なかなかシワが取れない場合には、当て布に霧吹きをしてからアイロンをかけるという方法がおススメです。
また、箔や刺繍の部分には薄紙をあて、折山には真綿などの芯を入れてください。

Q.着物はたとう紙に入れて保管したほうがいいの?

たとう紙は、和紙でできているため通気性に優れ、除湿効果も期待できることから、湿気に弱い着物の保管に非常に適しています。また、着物を平らに保管するのに適しておりシワがつきにくくなります。さらに汚れ防止や収納に便利です。たとう紙も湿気を吸収したり、経年劣化いたしますので、虫干しをしたり定期的な交換が必要です。

Q.着物はどう保管すればいいの?

着物や帯は、一枚ずつ「たとう紙」に入れ、湿気の少ないタンス(桐たんすなど)に保管することをオススメしています。衣装箱などを利用する場合には、湿気の管理のために、底にすのこを敷いたり、除湿剤をいれたりする工夫をしたほうがよいかと思います。

Q.防虫剤は使ってもいいの?

防虫剤をタンスに入れることは問題ありませんが、着物や帯が入った「たとう紙」に直接触れないように入れることをオススメしています。また、防虫剤は化学反応を避けるため、二種類以上混ぜて使わないようにします。

Q.汗をかいてしまいました。汗ジミが心配です。どのようなお手入れが必要ですか?

まずはご家庭で1日陰干しをしてください。今シーズン、袖を通さないようであれば、すぐにあまのやにお持ちいただき、お手入れとしてお手入れのプロによる「汗抜き」をされることをお勧めいたします。汗は、「丸洗い」では落ちませんので、「汗抜き」をしていただいたほうが、着物が長持ちします。汗をかいた後、数日後にお召しになるようでしたら、お召しになった後、タイミングをみてあまのやにご相談ください。

Q.しみができてしまったのですが、どうしたらいいですか?

できるだけ早くあまのやにお持ちください。絹の特性から、できるだけ早く専門家による適切な処置を行うことが、大切なお着物を守る基本的な方法となります。

どうしても早めにお手入れに出すことが難しい場合には、以下のような応急措置をとることは可能です。ただし、「こする」ことは厳禁です。「こする」ことで、シミが広がり、のちのちの処理が難しくなることがございます。

また、お持ちいただく際に、シミの場所を明示し、いつ、どのような経緯でつけてしまったシミなのかをお知らせいただけると、より適切な対応ができますので、ご協力をお願いいたします。

●コーヒー、お茶、ジュース、果汁、しょうゆ、ソースをこぼしてしまった!
 ⇒ ぬらしたハンカチなどで「つまみとる」

●お酒をこぼしてしまった!
 ⇒ よく絞ったハンカチなどで「たたき出す」

●泥がついてしまった!
 ⇒ そのまま「乾かす」

●口紅がついてしまった!
 ⇒ そのままにしておく

●汗をかいた!
 ⇒ よく絞ったハンカチなどで「たたき出す」

Q.着物の衣替え。シーズンオフのうちにしておいた方が良いお手入れは?

季節の変わり目には、今までお召しになった着物をお手入れに出すと次のシーズンもすっきりと着ることができます。汗をかいたと感じた着物は「汗抜き」をする、全体的な汚れは「丸洗い」など、お手持ちの大切なお着物を長くお使いいただくために、それぞれの着物にあったお手入れがあります。お悩みの際にはご相談ください。