テレビの画面にPUFFYのお二人が現れた瞬間、思わず「わあ、素敵!」と声が出ました。
2026年7月13日に放送された「徹子の部屋」に、デビュー30周年を迎えたPUFFYの大貫亜美さんと吉村由美さんが初出演。お二人がまとっていたのは、それぞれの個性が鮮やかに表れた、黒地の着物でした。
黒を基調にしながらも、そこには猫や月、花、動物、海を思わせるモチーフが、まるで物語の一場面のように描かれています。鮮やかな青や黄色、ピンクが効いた帯や小物、髪色、足元まで含めて、どこから見てもPUFFYらしい装い。
「きちんと着物を着ている」というよりも、いつものPUFFYのお二人が、そのまま着物の中にいるようでした。
着物に着られているのではなく、着物を自分たちの世界に引き寄せている。
その姿が本当に格好よくて、かわいらしくて、久しぶりに着物を見て胸が高鳴る感覚を味わいました。
二人が着ると、着物まで「PUFFY」になる
着物と聞くと、皆さんはどのような姿を思い浮かべるでしょうか。
上品な古典柄、落ち着いた色合わせ、美しく整えられた髪形。もちろん、そんな正統派の着姿には、日本の美意識が凝縮された格別の美しさがあります。
けれど、今回のお二人の着姿は、着物にはもうひとつの楽しみ方があることを教えてくれました。
黒地の着物をキャンバスのように使い、大胆な柄を遊ばせる。帯や半衿、帯揚げには、思い切った色や柄を重ねる。さらに髪色やアクセサリー、足元まで、自分たちの好きな世界観でつないでいく。
二人とも個性的なのに、決してちぐはぐには見えません。まったく同じ装いではないのに、隣に並ぶと不思議なほど調和しています。
長い時間を一緒に歩いてきたPUFFYのお二人だからこそ生まれる、絶妙な距離感。それが着物姿からも伝わってくるようでした。
着物一枚だけで装いが完成するのではなく、衿元に何をのぞかせるか。帯にどんな物語を置くか。帯揚げにどの色を効かせるか。小さな選択を重ねることで、着る人だけの世界が生まれていきます。
着物のコーディネートは、洋服以上に自由な「編集」なのかもしれません。
好きな色、思い出の柄、その日の気分、会いに行く人への思い。いろいろなものを重ねて、今日の自分をつくっていく。
だから同じ着物でも、着る人が変わればまったく違う表情になります。
PUFFYのお二人が着ると、着物までPUFFYになる。そのことが、何よりも素敵でした。
着物は、人を型にはめる服ではありません
「着物には決まりごとが多くて難しそう」
「自分には似合わない気がする」
「特別な日にしか着てはいけないのでは?」
お店でも、ときどきそのような声を耳にします。
たしかに冠婚葬祭やお祝いの場、お茶会で着る着物には、季節や場面、相手への心遣いを表すための約束があります。それは決して、人を窮屈にするために生まれたものではありません。
何を着ていけば相手に失礼がないか。どんな色や柄なら、その場に喜びを添えられるか。着物の決まりごとの根底にあるのは、周囲の人と心地よく過ごすための「思いやり」なのだと思います。
けれど、その約束を大切にすることと、自分らしさを楽しむことは、決して反対ではありません。
むしろ「普段に」着る着物は、着る人の個性をとても大らかに受け止めてくれる衣服です。
かわいらしく着てもいい。格好よく着てもいい。古典的にまとめても、現代的な小物を取り入れてもいい。落ち着いた色が好きな人もいれば、思い切り鮮やかな色を楽しみたい人もいます。
若い頃に似合っていた着物が、年齢を重ねることで違う美しさを見せてくれることもあります。お母様やおばあ様の着物に、自分らしい帯や小物を合わせれば、新しい一着としてよみがえります。
2026年にデビュー30周年を迎え、50代となったPUFFYのお二人。今回の着姿には、若く見せようと無理をするのではなく、今の自分たちを存分に楽しむ軽やかさがありました。
年齢を重ねることは、おしゃれの選択肢が減ることではありません。
好きなものを知り、自分に心地よいものを選べるようになること。これまで生きてきた時間も含めて、その人らしい魅力になること。
そんな大人のおしゃれの素敵さを、お二人の着物姿から感じました。
「いつか着たい」を、「今度着てみよう」へ
大貫亜美さんはInstagramで、着物が大好きで、いつか自分で着られるようになりたいと思っていることにも触れています。一方で、撮影時の凝った着付けを見ていると、自分では難しそうだと感じることも率直に語られていました。
その言葉に、親しみを感じた方も多いのではないでしょうか。
「着物は好き。でも、自分で着られないから」
「興味はあるけれど、何を選べばよいのかわからないから」
そんな理由で、着物を遠くから眺めるだけになっている方は、きっと少なくありません。
でも、最初からすべてを知っている必要はありません。
自分で着られなくても、着物は楽しめます。着付けをお願いしてお出かけしてもいいですし、興味が湧いてから少しずつ着方を習ってもいい。まずはお店で着物を広げてもらい、鏡の前で一枚羽織ってみるだけでもいいのです。
「この色、好き」
「こんな柄の着物があるんだ」
「思っていたより、私にも似合うかもしれない」
その小さなときめきが、着物との始まりになります。
あまのやでは、TPOに応じて、着物の伝統や、その場にふさわしい装いを大切にする装いはもちろん、普段、自分のために着る着物については、何よりも着る方の気持ちを大切にしたいと考えています。
どんな色に心が動くのか。かわいらしく着たいのか、格好よく着たいのか。どこへ着ていき、誰とその時間を過ごしたいのか。
お話を伺いながら、その方の中にある「好き」を一緒に見つけていくこと。それが、私たち着物専門店の仕事です。
着物に詳しくなくても、まったく心配はいりません。
「PUFFYのお二人の着物姿を見て、ちょっと気になって」
そんなきっかけで、ふらりと訪ねていただけたら、とても嬉しく思います。
着物は、美術館のガラスケースの中で守るだけの文化ではありません。
人が着て、歩いて、笑って、誰かと写真を撮る。時には思い切ったコーディネートを楽しみ、「その着物、素敵ですね」と会話が生まれる。そうして今を生きる人たちに愛されてこそ、文化は次の時代へ続いていくのだと思います。
PUFFYのお二人の着物姿を見て、「着物って、こんなに自由でいいんだ」と感じた方へ。
次はぜひ、あなたらしい一着を探してみませんか。
栃木県小山市のあまのやで、皆さまの「いつか着てみたい」が「今度、着てみよう」に変わる瞬間を、心から楽しみにしています。

