【きもの・紋】五つ紋に秘めたる想い

【きもの・紋】五つ紋に秘めたる想い 

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こんにちは、あまのやの古島です。

前回、留袖と喪服の着物の着方の違いをご紹介させていただいた際、紋について少しだけお話しさせていただきました。

前回のブログはこちらです。→【着物の着方は留袖や喪服も同じ?】教えて!!着物Q&A 第三弾

背中や胸に、紋(家紋)が付いている着物を見たことがある方は多いかと思います。

実際に、紋の入った着物をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

どんな着物に紋が付いているのか、紋の位置や数など、詳しいことはよく分からない…という方がほとんどではないでしょうか。

そこで今回は、紋に関する基本情報などをより詳しくご紹介させていただこうと思います。

 紋とは

着物に用いる紋とは基本的に「家紋」をさします。

家紋はもともと中国から伝わった文化で、自分の家系、血統、地位などを表すために用いられてきました。

平安貴族たちが、牛車や調度品に自分の家の紋や印(紋所)を入れたのが始まりだったとされています。

その後、戦国時代には「旗印」として活用され、明治以降には「家族」を示すものとして広く使用されるようになりました。

着物に家紋が入れられるようになったのは、足利時代以降で、定着したのは江戸時代に入ってからでした。

家紋は礼儀の基準として重んじられるようになり、また、血筋を表す印を後世に伝えていく大切なものとなりました。

その流れから、今日でも第一礼装には慶弔どちらの場合も着物には五つ紋を付けることになっています。

ちなみに、紋の大きさは男女で異なり、男性の紋は直径約3.8㎝、女性の紋は直径約1.9cmという大きさが標準とされています。

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 着物の格は紋の数で決まります!

着物の紋はどの着物にも付くものではありません。

カジュアルなシーンで着用する着物には紋を付けることはなく、結婚式などフォーマルなシーンで着用する着物にだけ紋が付きます。

どの格式の着物を着用するかは着用シーンによって異なります。

また、紋は付ける位置と数が決まっており、「一つ紋」「三つ紋」「五つ紋」の3パターンがあります。

一つ紋は背の中央上部に付き、これを「背紋(せもん)」といいます。

三つ紋は背紋に加えて、両後ろ袖の上部に付き、これを「袖紋(そでもん)」といいます。

五つ紋は背紋と袖紋とさらに両胸にも付き、これを「抱き紋(だきもん)」といいます。

そして、紋の数が多くなれば多くなるほど格式の高い着物となります。

五つ紋

最も格式の高い正礼装である黒留袖、黒喪服には必ず五つ紋が付きます。

色留袖に入れることもあります。

背紋、袖紋、抱き紋すべてが紋の形を白く染め抜き、紋を染める日向紋(ひなたもん)となります。

三つ紋

正礼装~準礼装にあたる色留袖や色無地に付きます。

背紋、袖紋を染め抜き日向紋(ひなたもん)で付けるのが基本ですが、陰紋(いんもん)と言って紋の輪郭を細く白い線であらわした略式の紋を付けることもあります。

一つ紋

色留袖や色無地、訪問着、礼装用の江戸小紋、色喪服に付けます。

付けるのが背紋のみになります。

 紋の意味

黒留袖や黒喪服などの礼装用の着物には五つ紋が入りますが、それぞれに意味があるのをご存じでしょうか。

背紋(せもん、背中上部にひとつ)

ご先祖様に守ってもらう願い

抱き紋(だきもん、両胸にひとつづつ)

ご両親のことをいつも思う願い

袖紋(そでもん、両後ろ袖の上部にひとつづつ)

兄弟、姉妹、親戚との繋がりへの願い

人は、父親と母親の2人の親から命を授かります。

そして、その両親にも2人の親がいらっしゃいますから、祖父母は全員で4人になります。

もう1代遡ると、ご先祖様は8人いらっしゃることになります。

10代遡ると、1024人ものご先祖様がいらっしゃいます。

20代遡ると、100万人以上のご先祖様が!!!!!

多くてビックリですね!

私たちはそれだけ多くのご先祖様たちから命を受け継いでこの世に産まれてきたのです。

今の自分があるのも、この全てのつながりがあるからです。

ご先祖様を大切に、そして守ってもらう「五つ紋」には、そんな思いがこめられているのです。

 まとめ

紋の由来や意味など、いかがでしたか?

家紋はとっても奥が深いので、まだまだお伝えしきれていないことがたくさんあります!

また改めてご紹介させていただきますので、よろしくお願いいたします。

これから紋入りの着物をご用意したり、ご着用される時には、五つ紋の意味などを思い出していただけたら幸いです!

五つ紋に秘めたるパワーを感じるかもしれません♪

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最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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