こんにちは、あまのやの古島です。
普段、あまり着物をお召しにならない方でも、お祝い事などで着物を着たりする方もいらっしゃると思います。
着物を着たあとはどうされていますか。
きっと着物のクリーニングをされると思います。
では、着物クリーニングっていったい…どういったもの??
今回は、着物クリーニングについて詳しくお話ししようと思います!
はじめに
着物を着ると少なからずシミや汚れは生じます。
着用後にクリーニングやお手入れに出されると思いますが、みなさまは、クリーニングの種類や工程をご存じでしょうか。
きものクリーニングと一概に言っても、着物の種類や汚れ具合で工程は様々です。
シミや汚れの種類など、きものクリーニングについて、詳しくご紹介してまいります。
シミや汚れの種類
汚れやすい箇所なども併せてご紹介していきますね!
皮脂汚れとファンデーション汚れ
着物を着たとき一番汚れるのは衿です。
衿は汗などによる皮脂やファンデーションが付きやすい箇所です。
さらに汗も加わったりして変色します。
ファンデーションなどの化粧品には、油分や顔料等を多く含むため水では落ちません。
吸着力が強いため、強くこすったり叩いて落とそうとすると、かえって汚れを広げてしまったり、繊維の奥に汚れが入り込んでしまいます。
また、アルコール成分が含まれているウェットティッシュ等で拭いてしまうと、着物の素材や染料によっては変色してしまう恐れもありますのでご注意ください。
そして、皮脂汚れは衿だけでなく袖口にも多くみられます。
着物の袖口は長く広がっているので、内側の汚れは少し手を上げただけでも見えてしまうことがあります。
飲食物のシミ
お食事したりする状況であれば、食べこぼし飲みこぼしや袖のたもとでお皿に触るなどです。
油分を多く含む料理の食べ物をこぼしてしまったら、固形物はそっとつまみ取ります。
濡れタオルで拭いたり叩いたりすると、汚れの範囲を広げてしまう恐れがありますので、ティッシュかタオル等でシミの広がりをおさえるだけにします。
飲み物をこぼした時も、柔らかい布を軽く当てて水分だけを取る感じでそっとおさえます。
スレになりやすいので、こすったりは禁物です!
(※スレとは、湿ったときに強くこすられて起きる毛羽立ちのことで、元に戻らなくなります。)
また、生地をこすることで、汚れが繊維一本一本の中に入り込んでしまい、シミが落ちにくくなってしまいます。
飲み物のシミは乾くと見えにくくなりますが、特に糖分を含んだ日本酒やビールなどは半年くらいで変色することもあります。
汗じみ
長時間きものをきていると汗がじんわり…なんてこともあるでしょう。
夏場に限らず冬や春でも、着物の中は意外とむれていて汗をかいている可能性があります。
わずかな汗でもそのままにしておくと、黄ばみ・シミの原因となります。
シワが多くある場合は、汗をかいた時の特徴です。
汗は乾いてしまうと目に見えず、丸洗いしたのに変色していたというケースもあります。
丸洗いのみでは汗の汚れは落ちません。
汗をかいたときは必ず汗抜きもしてくださいね!
雨ジミ・泥はね
天気の悪い日の着用ですと、雨が輪ジミ状となり、うっすらと流れたようなシミができます。
泥はねの場合、濡れた状態でこすると繊維の中に汚れが入ってしまいますので、触らずに乾かします。
タンパク質汚れ
血液、吐しゃ物、母乳、赤ちゃんのよだれ、ペットの尿などがあります。
タオルやティッシュなどで汚れ・水分を吸い取るだけにしてください。
タンパク質は熱で固まる性質のため、お湯や温かいおしぼりは使わないようにしてください。
またそのまま放置してしまうとシミ抜きが困難になります。
黄変
古い着物や長期的に保管していた着物に起こる変色です。
さまざまなシミがきものに付着したまま空気にさらされることで徐々に酸化し、その結果「黄変」となります。
例えば、落としきれなかった食べこぼしのシミや汗じみです。
汗じみのところで記したように、着用後に汗抜きをしなかったがために、黄変してしまうケースはけっこう多いです。
丸洗いしたのに、黄変してしまった…など、黄変とは、時間が経ってから少しずつ色が濃くなっていき初めて気が付きます。
汗じみは乾いたときには見えないので、汗をかいたときには汗抜き加工も必ず行ってください!
カビ
保管状態が良くないとカビが発生してしまいます。
着物に残っている汗や汚れはカビ菌の大好物です。
カビの初期症状としては、白いふわふわしたカビが表面に繁殖し、外側を払えば目には見えなくなります。
しかし、カビの根はとても深く繊維に張られており、少しずつ繊維を酸化させて黄変へと変化していきます。
「カビ臭さ」等の症状を感じたら、早めにカビの除去をすることが大切です。
発生してしまったカビは、カビ抜きや消臭殺菌加工などでカビを取り除きます。
その後は虫干しなどをしながら、注意を払って保管してください。
虫干しのやり方については、【虫干しのやり方と必要性】でご紹介しておりますので、併せてお読みくださいませ。
着物をお召しになった後は、着物を脱ぎ、全体の汚れ具合をチェックしましょう。
そして、きものを着るときがしばらくないのであれば、クリーニングされたほうがよろしいかと思います。
きもの購入時に「アフター付きガード加工」などをされた場合は必ず購入店へお持ちください。(シミや汚れ具合で有料となる場合もございます。)
シミは早いほど落ちやすく、遅いほど落ちにくくなります。
きものクリーニングの種類
では次に、クリーニングの種類や工程などをご紹介していきたいと思います。
しみ抜き
着物の汚れた部分をピンポイントできれいに処置するクリーニング方法です。
着物全体をキレイにしたい場合は、丸洗いとなります。
上記に記したような部分的なシミ・汚れを、薬剤・洗剤などを用いて取り除きます。
丸洗い
仕立ててある着物を丸ごと洗うクリーニング方法です。
全体をすっきりさせたいときや、比較的軽い汚れを落としたいときに適しています。
頑固なシミ・汚れは、しみ抜き加工が必要となります。
汗抜き+丸洗い
着物や長襦袢の汗を取り除くクリーニングです。
丸洗いでは、汗の汚れを十分に落とすことができません。
汗はマグネシウム等のミネラルや塩分です。
時間の経過とともに少しづつ酸化していき、黄変の原因となります。
汗抜き+丸洗いでは、特殊溶剤を使用し汗を落とします。
汗をかいたあとや長期保管の前には、汗抜きもしておくと安心です!
洗い張り
洗い張りとは、着物を解き反物の状態に戻してから、水洗いをしてキレイにする方法です。
全体的にかなり汚れている場合や仕立て直しをする場合に洗い張りを行います。
寸法のあわない着物の仕立て直しでは、洗い張りにより元の縫い目の汚れやスジも消えて目立たなくなります。
着物の縫い糸をほどいて洗うことから、解洗い(ときあらい)とも呼ばれています。
(※洗い張りは、古い生地など劣化の恐れから、着物の状態によってできない場合があります。)
アフター付きガード加工のアフターケア
ガード加工は水を弾くので雨の日も安心して着ていただけます。
そして汚れが付きにくくなります。
アフターケアの処置範囲につきましては、お店ごとに異なると思いますので、購入店へお確かめください。
着物クリーニング・お手入れについてはこちらもご覧ください。
きものクリーニングはどこにだしたらいいの?
そして最後は、どこにクリーニングをお願いするかです。
きものクリーニングを扱うお店は色々あります。
呉服店やきものクリーニング専門店でしたり、一般的なクリーニング店やネットの宅配サービスなどがあります。
料金も様々です。
ただ、高価な着物や大切な着物のクリーニングは、呉服店やきものクリーニング専門店にお願いすることをお勧めいたします。
呉服店やきものクリーニング専門店はきもののスペシャリストです。
着物の知識を持っていますので、着物の生地を傷めずにクリーニングが可能です。
また、きものの状態をお客様と一緒に確認しながらご相談いただけます。
一般的なクリーニング店では、着物が縮んでしまったり、クリーニングをしたせいで金彩加工が変色してしまったというお客様がいらっしゃいました。
私は浴衣しか一般的なクリーニング屋さんにお願いしたことがありません。
やっぱり、着物は呉服店などの方が安心かな~と。(あくまで個人的な感想です。)
ネットの宅配サービスは私自身使ったことがないので何とも言えませんが、近くに頼れる呉服店がないとか、行くのが億劫という方には便利そうですね。
ただ、顔が見えない分、不安はあるような…。
最終的にどこのお店に出されるかは、皆さまが信頼・納得できる加工内容かと思います。
おわりに
きもののクリーニングついてご紹介してまいりましたが、いかがでしたか?
着物が汚れてしまったら、こすったりせず出来るだけ早くクリーニングに出しましょう。
シミは早めのお手入れが肝心です!
日にちが経てば落ちにくくなります。
詳しいお手入れメニューについてはこちらもご覧ください!
また、着物を着る前と着た後の汗汚れ対策については、こちらのブログに掲載していますので、こちらもどうぞご覧ください。
呉服店はなかなか入りにくいと思われがちですが、決してそんなことはないです!!
明るく元気なスタッフがお出迎えいたします♪♪
そして、あまのやには「きものアフターケア診断士」が常駐しております。
お客様に安心してご相談していただくために、きもののお手入れ方法や、汚れへの対処のご提案をさせていただきます!
2月5日(金)、6日(土)、7(日)、8日(月)には、毎回大好評の「お手入れ名人による無料診断、お手入れ相談会」を開催予定です!!
シミ、汚れは早期発見・早期お手入れが重要です。
ご相談・お見積もりは無料ですので、お気軽にご持参ください♪
ただいま、混雑を避け、安心してご来店いただくために、ご来店のご予約をオススメしております。
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2021年きものはじめてみませんか♪♪
一人でも多く着物ファンが増えることを祈って…
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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