螺鈿帯の魅力|天然の虹色が織り込まれたエレガントさ♪

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幼い頃、母が着ていたキラキラと七色に輝く帯を見て、純粋にその美しさに惹かれる帯がありました。

布に織り込まれた宝石。そんなイメージがピッタリの、虹色に輝く帯。

光によって、見る角度によって、さまざまな色が表現される貝殻の美しさ。

大人になって知った、その帯の正体は、螺鈿(らでん)の帯。
螺鈿の帯で有名な作家の佐野正喜先生の帯でした。

本当に心奪われるような美しさなんです。

作られた美しさではなく、天然の貝殻から織りなされる輝きだからこそ、、、なのでしょうか。本当に神秘的で、エレガントで美しい。

大人になった今も、螺鈿の帯を見ると「ワァ~♪」と気持ちがあがります。キラキラと輝く天然の虹色の輝きは、大人になった今でも、女子心をくすぐられる魅力に満ちています。

クリスマスなどのパーティーにも本当に映えるんですよね♥

華やかな恰好をして参加したい、そんなときには身につけるだけでワンランク上の自分に高めてくれる、そんなステキな帯なんです。

着物をあまり知らない方でもその美しさに魅了されてしまう、今回はそんな螺鈿の帯の魅力について、お伝えしたいと思います。

 <目次>

  • 螺鈿(らでん)とは
  • 螺鈿の帯作りの技術
  • 螺鈿の帯の着こなし

● 螺鈿(らでん)とは

蝶貝、夜光貝、アワビ貝などの貝殻の真珠色に輝く部分を薄く磨き、さまざまな形に切り取って、木地の表面にはめ込んだり貼り付けたりして装飾をする工芸技術のことを指します。

歴史は古く、螺鈿のルーツは紀元前3000年頃のエジプト文明にまで遡るそうです。その美しさから装飾具、祭儀具、楽器などに螺鈿がほどこされ、世界各地に広っていきました。唐から日本に伝わったのは奈良時代と言われ、螺鈿装飾がほどこされた琵琶などが正倉院宝物として残されています。平安時代以降、蒔絵などに使われ広まっていきました。

時代や場所を超えて、いまでも多くの人に愛され続けるのは、人の心を魅了するその普遍的な美しさゆえのものなのだと思います。

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● 螺鈿の帯作りの技術

螺鈿の技術は、漆器に用いられるイメージがある方も多いかと思いますが、着物や帯に使われることもあります。

その美しさは一目瞭然。

着物や帯の装飾は、面積も広いことが多いので、迫力もあり存在感抜群なのです。

着物をあまりご存知ない方でも、その美しさに目を奪われること間違いなし。

とてもステキな逸品です。

ただ、それを織り上げるにはまるで神業のように繊細な技術が必要となり、誰でも作れるといったものでは到底ありません。

<作り方>

①図案に合わせて、薄く削った板状の貝殻を和紙などに貼り付ける

②貼り付けた和紙を糸状に細く裁断する

③帯を織るときに、裁断した虹色の糸をヨコ糸として織り込む

図案に合わせて、貼り付けるだけでも繊細な技術が必要となります。それをさらにわずか0. 何ミリ程度の薄く細い糸状にして、ヨコ糸に織り込んでいくという工程は想像するだけでも気が遠くなりそうですが、そこから織りなされた帯は格別な美しさです。

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● 螺鈿の帯の着こなし

キラキラと輝く螺鈿の帯は、パーティーやディナーなど華やかな席にオススメです。この時期のクリスマスシーズンには、本当にピッタリ♥

先日も、キモノ姿で東京を皆さんをお散歩した中には、螺鈿の帯を締めたお客様もご一緒してくださいました。

外を歩いていると、正絹のつややかさと螺鈿の七色の輝きで思わず目を奪われる美しさです。

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こちらも、螺鈿の帯の第一人者と言われていた故・佐野正喜先生の作品。

先生の作品は、エジプトをはじめとした古代オリエントの異国情緒漂う雰囲気でとてもステキなんです。

 

見ているだけで、なぜか心踊るんですよね。古来より虹色の輝きは縁起が良いと言われるのも、納得の美しさです。こんな装いで華やかな場を楽しめたら、とてもステキですよね♪

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自然がくれた、輝きのプレゼントを身にまとい、ご一緒にお出かけしてみませんか♪

▶季節に応じた装いを、二十四節気の季節感でお届けする“二十四節気コーディネート”をお楽しみください。

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