【着物の虫干し】虫干しのやり方と必要性

こんにちは、あまのやの古島です。

突然ですが、虫干しって聞いたことありますか??

聞いたことはあるけど、よく分からない・・・が、本音ではないでしょうか。

着物の保管で欠かせないのが「虫干し」です。

前回、【着物の保管で「大切なこと」と「注意点」】【きもの収納便利アイテム】などをお話しさせていただきましたが、さらに虫干しをやっていただくことで、長くキレイに保管できますので、今回は虫干しについてお話ししようと思います。

 虫干しとは

虫干しとは、ざっくり言うと、湿気を払い害虫を駆除して全体の点検をすることです。

昔の人はこう言っています

7月下旬~8月上旬(土用干し)

 入道雲が湧き出たら、梅雨期に含んだ湿気を払わにゃいかん。

10月~11月上旬(虫干し)

 コオロギが“つづれ刺せ、つづれ刺せ”(繕いものをせよ)と鳴き出したら衣替え・冬物の点検をして、綻びを直しておけよ。

1月下旬~2月下旬(寒干し)

 寒の頃、板戸も乾いて隙間ができる。宝物に風を通すにゃもってこい。

(引用:きものの知識)

目的

①風を通して湿気を払う

②害虫を除く

③しみや汚れを点検する

時期

地域によって時期は異なりますが、

  • 土用干し(湿りやすい季節の後・主に湿気)・・・7月上旬~8月下旬
  • 虫干し(初秋のころのながあめの後・主に害虫)・・・10月下旬か~11月上旬
  • 寒干し(一年で最も湿度の低い時期・主に湿気)・・・1月下旬~2月下旬

などがあり、雨期の後の乾燥した時期に行います。

時刻

晴天が2日以上続いたときのAM10:00~PM2:00の間

あまり長いこと掛けておくと、型崩れの可能性も出てきてしまいますのでお気を付けください。

方法

風通しが良く、陽のあたらない所に、きものを1枚ずつ裏返してきものハンガーに掛けます。

たとう紙は太陽にあててよく干します。

着物は直射日光に当ててはダメですよ!色ヤケの原因になります。

 着物は湿気が一番の大敵

湿気がこもったままにしておくと、カビがでてきてしまいます。

カビの発生条件

湿度:60%以上

酸素:わずかでもあれば

温度:5~35度

栄養:タンパク質(絹自体)

カビを防ぐには

  • 湿気の少ないところにタンスを置く
  • こまめにタンスの湿気を払うこと

どうしてもたんすにしまいっきりにしていると、湿気がこもってしまいますよね。

なので、虫干しをぜひやっていただきたいのです!

しかし、なかなか年に3回も虫干しをしている方は少ないのではないでしょうか。

理想は年に3回やることですが、1回でさえなかなか・・・(笑)

 虫干しを怠ると・・・

以前にもお話しさせていただきましたが、私・・・虫干しをやらなかったがために紬にカビが出てしまいました。
(詳しくはこちらのブログ【着物は着ることが最大の虫干し】でお話ししていますので、良かったら併せてお読みくださいませ。)

何枚か持っているうちの一枚だけで済みましたが、カビ菌は移る可能性がありますので、これからは私自身、虫干し必須です!!

引き出しすら開けないと、ほんと私のようになってしまう恐れがありますので、お時間を見つけてぜひ虫干しやってみてください。

カビがでてしまったら

保管状態が良くないとカビが発生してします。

もしカビが発生してしまったら、カビ菌をバラまかないようにして、なるべく早く呉服店やきものクリーニング専門店でカビ抜きなどの処置をしてもらってください。

カビの再発を防ぐためにも、カビ落としなどのクリーニングが済んだら、保管方法を改善することが必要になります。

たんすの種類・置き場所・除湿剤の活用など、見直してみてください。

そして、虫干しをぜひやってみてください!!

 まとめ

虫干しについて、お話しさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

私自身、虫干しなんてそこまで気にしたことがありませんでした。

時間はないし(言い訳)面倒くさいし・・・

しかし、着物にカビがでてしまい、虫干しの必要性を強く感じました。

また、カビ以外にも、時間の経過とともに変色してくる「黄変」があります。
汗ジミは丸洗いのみでは落ちません。
汗抜きをしないままでは、時間が経つと黄色く変色してしまうことがあります。

飲み物のシミにも注意が必要です。
飲み物のシミは乾くと見えなくなるものがあり、特に糖分を含んだ日本酒やビールなどは半年くらいで変色することもあります。

こういった理由で、定期的な着物のチェックが必要となります。

ここ何年もたんすを開けていない方がいらっしゃいましたら、ぜひこの機会に点検してみてください!

たまには、虫干しがてら着物を眺めるのもステキな時間になるのではないでしょうか♪

忙しくて時間がないかもしれませんが、思い出にふけるのもいいものかなと(笑)

いろいろな情景が浮かびませんか!?

「あの時この着物着たのよね!」など、着物を着てお出かけした日は忘れないですよね!

それだけ、強く印象に残ります。

あるお客様が、着物で出かけると必ず「ステキですね」と声をかけられると嬉しそうに話してくださいました!!

着物は着ている自分だけでなく、周りも華やかにしてくれます。

実は私、成人式で振袖を着たことをきっかけに着物が大好きになりました!

背筋がピンっとのびる感じが好きで、そして何より着姿を褒めてもらえること(笑)

この快感をもっとみなさまと共有したいのです!!!!!

着物は着ることが最大の虫干しだと思っています!!

着物を着てぜひお出かけしてみてください♪

また着方教室も人気で、お若い方から幅広い世代の方に学んでいただいております。

コース最終日には自分できものを着てお出かけします!!(ランチ会など)

それがまた自信につながりますよね♪

大切な着物のためにしっかりとしたケアをお願いいたします!

あまのやには「アフターケア診断士」の資格を持ったスタッフが常駐しております。

分からないことや不安に思うことがありましたら、お気軽にご相談くださいませ。

 ▶虫干しがどうしても面倒、できるだけ手間をかけたくないという方は、こちらのブログもご覧ください。

マンション暮らしの方、虫干しをする時間がないという方には、虫干しをしなくても済むような保管方法をご紹介しています。「マンション暮らしの一番簡単な着物の収納方法って?」

一人でも多く着物ファンが増えることを祈って・・・

最後までお読みいただきありがとうございました。

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着方教室も虫干しの機会になりますよ^^!

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