【着物の保管】着物の保管で「大切なこと」と「注意点」

こんにちは、あまのやの古島です。

「着物のお手入れや収納」について、お悩みの方も多いのではないでしょうか。

どういうふうに保管したらいいの?
桐たんすないけどダメ?
防虫剤は入れた方がいいの?・・・などなど。

着物初心者さんにとったら「着物の保管」は分からないことだらけで、不安だと思います。

「振袖」が初めて購入した着物、という方も多いかもしれません。

着物はちょっとしたお手入れをすることで、いつまでも美しく保つことができます。

そこで今回は「着物の保管で大切なこと」や「注意点」などをお話ししようと思います。

 着用後のお手入れ

●きものの手入れ 
きものは脱いだらすぐ和装ハンガーに掛け、ひと晩ほど陰干しし、湿気をとります。同時にしみや汚れも点検します。
しみや汚れを見つけたら、その部分に糸印をつけ、化粧品や飲み物、調味料などの具体的な説明を付けて専門店に頼みます。
素人の処置はかえってしみが広がってしまうことがあるので、手を加えない方が賢明です。しみなどがなければ、たたみます。
(引用元:きものの基本 社団法人 全日本きもの振興会 編)

●帯と長襦袢の手入れ
帯はほどいてすぐ、温もりののこっているうちにたたくようにしてしわを伸ばし、長襦袢も陰干し後、たたみます。
(引用元:きものの基本 社団法人 全日本きもの振興会 編)

上記に「しみや汚れの部分に糸印をつけ」とありますが、そこまでなさらずとも汚れてしまった場所を覚えていただいて、スタッフに伝えてくださるだけでも結構です!
また、改めてスタッフがお着物を拝見いたしますので、どうかご安心くださいませ。

汚れてしまったら、まず自分でどうにかしようと決して擦らないでくださいね!
生地が毛羽立ってしまい、お直しが難しくなってしまうことがありますので、綺麗な布で水分をトントンと吸い取ったら
お早めに専門店にお持ちいただくことをお勧めします。

当分着るご予定が無いのであれば、着物クリーニングに出した方が良いでしょう。
長い時間吊ったままにしていますと、生地がたるんでしまう原因にもなったりしますので、
陰干しは1日程度で十分です。

今は「〇年保証ガード加工」といったアフターケアを、購入時にセットでお願いしている方も多いと思います。
その場合、お手入れのケアをしてもらえるので、着用後は購入店へお持ちになってください。
(※シミや汚れ具合によっては有料となる場合もございます。)

●小物のお手入れ(帯揚げ・帯締め)
帯揚げもしばらくは干して湿気をとります。しわが目立つときは、二つ折りにした後、しわを伸ばしながら巻きます。
帯締めの房がバラバラになったら、蒸気をあててなじませた後、約6㎝の白い和紙や半紙でしっかり巻きます。
(引用元:きものの基本 社団法人 全日本きもの振興会 編)

絹はありがたいもので、きちんとたたむだけでシワがとれます。
絹にアイロンをかけるのを怖がる方もいると思います。私も怖くてかけられません(笑)
気を付けるべきポイントは
・アイロンは低温設定で軽く
・当て布をしたうえで短時間に
・スチームで擦らない です。

絞りの場合は軽く浮かせるのがコツになります。

帯締めは「房カバー」といって簡単に房が広がらないようにするアイテムもございます!!
私もこれ愛用中です!!

収納アイテムも今や色々ありますので、また改めてご紹介していきますね!
着物の保管って難しい・・・が、「簡単」に変わるアイテムもあるかも♪

 着物の収納

お手入れの済んだ着物や帯はたとう紙に包んで収納します。
たとう紙に包んで収納することで、よれジワや型崩れを防いでくれます。
たとう紙一枚につき着物一枚です。
たとう紙に黄変がみられたら、着物に移る場合もありますのでお取替えください。
たんすの引き出しにぎゅうぎゅうに重ねて収納しないようにしてくださいね。
湿気がこもったり、重みで、たたみジワが生じてしまう可能性があります。
引き出しは余裕をもって収納してください!

アフターケアやきもの専門店でお手入れした着物はたとう紙に包んでご納品させていただくので安心です。

そして、着物の収納・保管といえば、桐たんすを思い浮かべる人は多いと思います。
ではなぜ桐たんすはよいのでしょうか。

着物は最も湿気に気を付けなければなりません。
桐は湿気に強く、湿気が多い時にはたんす自身が膨らみ外からの湿気を防ぎます。
乾燥時期には湿気を発散して収縮します。
その為、たんす内部を一定の湿度に保つことができるのです。

また、桐にはタンニンが含まれているので、害虫を寄せ付けにくいという特徴があります。

そして燃えにくいという性質もございます。
桐自体は燃えやすい木材ですが、タンスになることで気密性が増し中まで燃えにくくなるのです。

こういった理由で桐たんすが着物用として最適と言われています。

 桐たんすがないけど・・・

理想は桐たんすに収納して頂くのが一番です。

置く場所や色々な事情でタンスが無理でも桐の衣装箱ならサイズ的にも助かりますね!
箱タイプから二段・三段のタイプと選べます。

しかし、桐たんすや桐の衣装箱は様々なお値段で販売されています。
中には、上記のような桐の特性がないものもございますので、よくご確認くださいね。

桐たんす以外に収納の場合は、湿気対策をお願いします。
・着物はできるだけ湿気の少ない上の方へ。
・たんすの置き場所は、できるだけ風通しの良いところへ。台所や浴室に近いところはさけてください。
・空気の乾いている日は、たんすの扉や引き出しを開けて湿気を出しましょう。

また、引き出しの幅に気を付けて着物を2つ折りから3つ折りに変更したりして、シワに気を付けてくださいね。
着物には湿度が一番気を付けなくてはなりませんので、シリカゲルの除湿剤を引き出しの四隅に入れておくのも良いでしょう。

最近では、きもの保管袋という商品やきもの預かりサービスなど、お客様のライフスタイルに合わせて、着物を安心して楽しんでいただける方法が増えてきました。
一度お近くの呉服屋さんにご相談されてもよろしいかと思います。

※最も注意が必要なのは、プラスチックケースや紙の衣装箱です。

プラスチックケースは通気性が悪いので湿気がたまりカビや変色の原因になります。
紙の衣装箱は、吸湿性が高いので、カビや変色の原因になります。
(※振袖や着物一式の納品時に紙の衣装箱でご納品させていただくことがあります。保管の際は注意してくださいね。)

どちらも一時的な保管を除き、なるべく桐たんすや桐衣装箱へ保管することをお勧めいたします。

▶でも、桐ダンスをもっていない!狭くて桐ダンスの購入は難しい・・・そんな方にはこちらの「マンション収納でもオススメ!|きものの休息を使った収納方法」をどうぞご覧ください。

▶プラスチック収納を考えているという方はこちら「きもの収納用タンスの選び方|プラスチック収納?桐ダンス収納?」もご覧ください♪

 防虫剤は必要?

きものの素材のうち、最も虫が付きやすいのがウールです。ウールと絹物は別の引き出しに収納します。
桐箪笥があれば、絹のものは防虫剤は少なくてもよいでしょう。
防虫剤は混合すると化学反応を起こしますので、一種類に決めて使います。
金銀箔や金銀糸は防虫剤に反応して変色するなどの事故があるので、特に注意が必要です。
(引用元:きものの基本 社団法人きもの振興会 編)

絹ものには、防虫剤は使用しない方が良いという意見さえあります。

入れる場合は、直接着物に触れないように引き出しの上の方に置きましょう。
そして何より、何種類も使わないことですね!

 おわりに

きものの保管はとても重要です。保管次第で着物が大変なことになってしまう可能性もあります。

 
着物を長くキレイに保つためには、虫干しは必要です。

マンションや新築の家では、昔と違って密閉度が高く湿気がこもります。
そのため、カビの問題が大きくなっています。
虫干しや日常の風通しをして、着物のケアをしてあげましょう。
虫干しのやり方については、また改めて書こうと思います。

着物の保管は難しいと思われがちですが、ポイントさえおさえれば難しいことはありません!!

大切な着物のために、少しでもお役に立てれば幸いです。
あまのやには、「きものアフターケア診断士」というスタッフが常駐しております。
分からないこと・不安に思うことがありましたら、ぜひご相談くださいませ。


そして、着物は着ることが最大の虫干しだと思っています!!
ぜひ着物を着てステキなきものライフを送ってみてはいかがですか♪

一人でも多く着物ファンが増えることを祈って・・・

最後までお読みいただきありがとうございました。

▶こちらにも着物の収納方法のポイントをご紹介しています!「着物収納のポイント|令和時代のオススメ着物保管方法」

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