【着物の着方は留袖や喪服も同じ?】教えて!!着物Q&A 第三弾
こんにちは、あまのやの古島です。
あまのや着方教室では、只今、人数の制限を設けながらクラスを増やし、楽しくお稽古しております!
少人数ですと、皆さまとコミュニケーションが取りやすく、毎日のお稽古が楽しくて仕方がないのです♪
この度、基礎コース・おさらいコースを経て、上級コースへ進級された生徒さまがいらっしゃいました!!
上級コースになりますと、着付けが少し難しい礼装着の留袖(とめそで)や黒紋付(もんつき)、帯の変わり結び、体型をカバーする美しい着付けなどをお伝えいたします。
今回は、お客さまのご希望で黒留袖(くろとめそで)のお稽古をいたしました。
黒留袖は、結婚式の花嫁花婿の母親や仲人さんが着ような格式の高い装いとなります。
2枚の着物を着ているかのように見せる比翼衿(ひよくえり)を使うなど、留袖の着方には難しい要素がたくさんあります。
着方の基礎は出来ている生徒さまですので、比翼(ひよく)の衿もキレイな仕上がりとなりました!!(拍手!!!!!)
すると、他の生徒さまより、こんな質問が…
「喪服も着方は同じ??」
そこで、今回のテーマでもあります「着物Q&A」です!
教えて!!着物Q&A 第三弾
Q:着物の着方はどの着物も同じ??
A:いいえ、着物によって着方は変わります。
ここでは黒留袖(くろとめそで)と喪服についてご紹介してまいります。
黒留袖(くろとめそで)
黒留袖は既婚女性が着用する着物の中では、最も格式が高い第一礼装になります。
五つ紋が入った地色が黒の着物で、地模様のない生地に、裾部分にのみ模様が入っているのが特徴です。
主に結婚式や披露宴で新郎新婦の親族など、主役にごく近い関係者が着用します。
最も格式の高い着物を着用することで、お招きしたゲストに礼儀を尽くし、敬意と感謝の気持ちを表すという意味合いがあります。
逆に、友人や知人の立場で招待された方が着用するのはマナー違反になるので気を付けましょう。
留袖には、着物を重ねて着ているように見える比翼(ひよく)がついています。
昔は着物を2枚重ねて着ていましたが、現在では簡略化され、着物の衿・裾・袖口・振りなどに羽二重(はぶたえ)の布を重ねて縫い付ける比翼仕立て(ひよくじたて)が一般的です。
この比翼仕立てには、祝い事が重なると縁起が良い、という意味も含まれています♪
正礼装なので、帯揚げ・帯締めは白で統一し、長襦袢も白を着用します。
黒留袖の着方として気を付けるポイント
- 衣紋(えもん)はたっぷりと抜く
衣紋(えもん)とは、後ろ衿の部分を言い、「衣紋を抜く(えもんをぬく)」というと、衿の後ろを引き下げること、またその開け具合、引き具合をさします。
通常お稽古では、こぶし一つ分と教えていますが、それよりも多く抜きます。
- 前幅(まえはば)の合わせ方
留袖は裾にしか柄がありませんので、ここが柄の見せ場となります。
上前の柄の中心が体の中心にくるように合わせます。
普段着物よりも少し深めに合わせます。
- 帯枕(おびまくら)は厚みのあるものを
大きくて厚みのある帯枕は、帯結びを行った際、お太鼓の山が高く膨らみます。
留袖や訪問着など華やかな印象になりますよ!
- お太鼓は大きめに
お太鼓とは帯の結び方の一つで、結びあげたとき、背中に出る部分をお太鼓といいます。
お太鼓の大きさをいつもより少し大きめにしましょう。
- 幅出し(はばだし)を多めに
幅出し(はばだし)とは、胴に巻いている帯の幅を少し広げて、本来の帯幅よりも幅広く見せることです。
帯の幅を広くすることで、より一層見栄えがよくなり、「格」にふさわしい豊かな着姿になります。
留袖など礼装のときはぜひ幅出ししてみてください♪
などなど、礼装の着方にはポイントがあります!!
そして、先ほども記した通り、留袖には比翼地がついております。
他の着物に比べて重いので、腰ひもや腰ベルトをしっかり締めておかないと、裾が下がってきます。
黒留袖は、着物の中でも最も高い格に位置づけられる着物です。
「品」と「格」にふさわしい所作も大切ですね♪
喪服
紋入りの黒喪服とは、弔事における最も格式の高い礼装です。
喪服と聞くと、黒の着物に黒の帯、小物も黒で統一というのが一般的かと思います。
しかし、地域によって文化や風習が異なります。
ここでは、黒の着物・帯・小物の組み合わせでお話しさせていただきます。
羽二重(はぶたえ)や縮緬(ちりめん)など光沢のない黒無地に、五つ紋を染め抜いた着物に、黒の帯・小物を合わせます。
通夜・告別式では、一般的に遺族といわれる家族・親族(2親等程度)が紋の入った黒喪服を着用することが多いようです。
喪服には、悲しみの気持ちを表すと同時に、故人への敬意を表す意味が込められています。
黒留袖(くろとめそで)など格式の高い着物には、袋帯を合わせますが、喪服の場合には「悲しみが重ならないように」という意味から黒の名古屋帯で一重太鼓にします。
喪服の着方では、礼装とは逆に、何事もすべて控えめにします。
控えめを心掛けた装いが悲しむ気持ちを表現します。
黒喪服の着方として気を付けるポイント
- 肌の露出は控えめに
衿の後ろの部分を、通常の着付けですと、こぶし一つ分抜くとされていますが、喪服の場合は指3本ほど抜く程度に控え、決して抜きすぎないようにします。
衿合わせも、肌が見えすぎないように深めに合わせ、半衿は1~1.5㎝ほど出します。
- お太鼓の大きさも控えめに
帯は一重太鼓とし、お太鼓の高さも華やかになりすぎないように低めにします。
お太鼓の大きさも控えめにし、たれも短くします。
- 控えめな着付け
裾線は床すれすれにし、あまり裾つぼまりになりすぎないようにします。
おはしょりは、少し短めで真っ直ぐにします。
帯締めは帯幅の中心よりやや下に締めて、房は下向きにします。
帯揚げもあまり出さないように控えめにします。
まとめ
今回、黒留袖と黒喪服の着方のポイントをご紹介させていただきました。
黒留袖や黒喪服など5つ紋の着物を着るときには、紋の位置に気を付けましょう!
五つ紋とは、背中に一つ、両袖の後ろと両胸にそれぞれ一つずつの計五つです。
両胸の紋を「抱き紋」といい、左右対称に見えるようにします。
背中の紋は真ん中にたるまないように美しく整えます。
背中心をずらさないことは着付けの必須条件です!
特に背中の紋がずれていると目立ちますので気を付けましょう。
紋の意味についてはまた改めてご紹介できたらと思います!
過去の質問はこちらから!併せてご覧くださいませ。
【衣紋抜き?背中心?衿が左側?】教えて!!着物Q&A 第二弾
学びに来てくださるお客さまの想いや不安を共有し、楽しい着物ライフとなるようお手伝いさせていただきたいと思っています!!
たくさんの着物好きさんにお会いでき、お稽古を通してお話しをさせていただけることに幸せを感じています♪
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これからも、お客様のご質問やお悩みなどをお伺いしながらご紹介してまいりますね。
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・着物初心者でも安心!あまのや前結びきもの着付教室
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